とある昔話

むかしむかし、ある村に1人の正義感が強い青年が引っ越してきました。彼の引っ越し先は時々諍いが起きていて、彼にとってはあまり居心地の良いものではありませんでした。

 

ある日、彼は「自分が前にいたような、みんながお互いを尊重しあえる村を作ろう」と思い立ちました。彼の村には諍いの火種を作る人が何人かいたため、まずはその人たちをどうにかしようと考えたのです。彼は、「平和な村を作りたい」という考えに賛同する何人かと共に、行動を始めました。

 

まずは、彼が思う「火種となる人物」と関わらないようにしました。しかし、いつまで経っても改善する気配がないため、痺れを切らした彼は「火種となる人物」と関わっている人や、挨拶をする人、さらには会釈をするような人までもを「危険」として、関わらないようにしました。さらに、火種となる人に関しては村から出て行くよう、村の掲示板に書き込みました。

 

すると、そんな事を知らない村の人々は「彼はどうして関わりを持とうとしないんだ」と大変不思議に考えました。彼は、彼を支持する人にのみ自分の考え方を説明していたため、彼の行動を理解できる人がいなかったのです。

 

結局、彼は村の人から敬遠され始めてしまいました。更には、自分を支持してくれていた人達ともいざこざが起き始めるようになってしまいました。

 

正義感に駆られ、村の警察を買って出たら、上手くいかなかったお話でした。